現在、タイルの材質は成形方法(AまたはB)と吸水率(Ⅰ類~Ⅲ類)の組み合わせにより大きく6つの種類に分類されています。
※【 】に表記されている磁器質、せっ器質、陶器質は旧JIS規格の自然吸水率による分類です。
※吸水率について、従来は自然吸水率を指標にしていましたが、 2008年のJIS改正により強制吸水率(煮沸法または真空法)が指標とされるようになりました。
※厳密には1対1に対応しておりませんがⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類はそれぞれ従来の磁器・せっ器・陶器にほぼ当てはまります
タイルの品質規格は※JIS規格「JIS A-5209」により定められています。
2000年頭頃からタイルの国際化が進み、多くの輸入品が国内でも取り扱われるようになりました。
製品の国際取引において各国で品質試験方法や基準が異なることは取引の障害となり、何よりユーザーにとって選びにくい判りづらいものになってしまいます。
このような障害を取り除くために、JISが※ISOとの整合を進めるなか、陶磁器質タイルのJISも改正されることになりました。
ただし、海外のタイルはサイズの大きな床、内装タイルが主流であるのに対し、
日本では外装としてもよく使われており、形状も小型である点で大きな差異となっています。
このためJISではこうした国内の事情を考慮しながら、ISOの技術的内容を取り入れて整合化を図ってきました。
従来のJIS規格では、「磁器質/施釉/外装床タイル」の様に、「吸水の区分と、釉の有無、用途区分」が表現されていましたが、
ISOとの整合の中で、「成形方法」を加えた呼び名に変わってきた背景があり、各メーカーで微妙に表現が異なる場合があります。
※JIS規格… 製品の種類・寸法や品質・性能、安全性などを定めた国家規格
※ISO…International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称。ISO規格は製品やサービスに対する国際的な規格。