タイルの原料とは?
タイルは国産品、輸入品に限らず、天然の粘土が主原料です。
ただ、この粘土、とりわけ国内産の粘土鉱物の入手が難しくなっていることは、ご存じでしょうか。
粘土は太古からの天然の恵で、まだまだ先の未来まで採掘が可能と思われがちですが、この地球からの贈り物にも、枯渇の心配があるのです。
古きから瓦の原料として、近現代では食器、そしてタイル・煉瓦等、建築資材の原料とされてきました。
とりわけ、日本におけるタイルの位置付けは、人々の暮らしに密接に関わってきました。
大正、昭和を通して、住宅の水回りにおいて内装タイルは衛生的で清潔さの象徴として、欠かせない存在でした。
また、1960年以降、コンクリート躯体を守る耐久性の観点、また高級感を演出する仕上げ材としてオフィスビル、マンションの外装材に
多くのモザイクタイルが使用され、大量生産・大量消費型の代表的な工業製品となりました。
粘土のはなし
粘土は、花崗岩が雨や風にさらされ風化、粒子化し、長い年月をかけ堆積し、地表の土や枯れ葉などと混ざることで粘土層が誕生します。
火山活動が活発で花崗岩に恵まれた日本には良質な粘土層があり、その誕生は、何百万年、何千万年とも言われるほど長く、尊いものなのです。
このような粘土層を中心に、六古窯と呼ばれる伝統的な焼き物の産地が登場します。
国産最大のタイル産地である東濃・瀬戸エリアは太古の昔は湖のため、様々な材料の堆積により木節粘土や蛙目粘土などの良質な粘土層があり、
多くの粘土鉱山にて陶磁器用の粘土が採掘されていました。
筆者がタイルに携わるようになった30年以上も前は、何十もの粘土鉱山がありましたが、
「良質な粘土の減少」「採掘コストの増加」「需要の減退」により採算性も悪化し、現在、このエリアで稼働する粘土鉱山は数える程に減っています。
画像提供:丸安